「現代医療の問題点」2013年9月【No.123】

最近よく有名人でガンになった人のことが話題に上る。歌舞伎役者の大御所である市川団十郎や中村勘三郎が闘病の果てに逝き、いままた坂東三津五郎が、歌舞伎座の夏の風物詩「八月納涼歌舞伎」の最後の演目「棒しばり」で親友の息子である中村勘九郎と息もぴったりの踊りを披露して観客の涙を誘ったわずか2日後の8月26日に、自身のホームページで次のように報告した。

「この五十年病気・怪我での入院もなく休まず舞台に打ちこめたのは丈夫な体のお陰だと思っておりました。ところが例年の健康診断を七月に受けましたところ、膵臓に腫瘍が見つかりました。早期発見出来たことは膵臓の病気としては大変幸運なことだそうです。この病気の更なる検査、完治に向けての治療のためしばらく三津五郎にお時間を頂戴したく存じます」。

三津五郎の病は恐らくは膵臓ガンだと思われるが、このガンは周知の通り難治の病である。早期発見で幸運だったということであるが、何とかして快復してまた元気な姿を舞台で見せて頂きたいものである。

小衲は弟を5年前に前立腺ガンでなくしたが、親しい知人でこの病に冒されて亡くなられた方もいる。弟の場合は酒も飲まずたばこも吸わず、自家栽培の無農薬野菜中心の食生活を続けていたにもかかわらず、末期の前立腺ガンにかかってしまったのである。のちになって弟がコレステロールを下げる薬を10年以上も服用していたことを知り、それが恐らく原因であろうと思い至ったのである。

免疫学の大家である安保徹氏の著書や『コレステロールに薬はいらない』『命を脅かす医学常識』などの著者である浜六郎氏などの本を読むと、いかに現在の医療が多くの問題を抱えているかが分かる。弟のコレステロール値は250ほどだったかと思うが、実は240から260位の人がもっとも長生きするという調査結果が出ているという。またコレステロール値が高い人ほどガンになりにくいということである。しかし現在の医療では240あれば高コレステロール値とされ、薬を投与されるのである。浜六郎氏のように勇気を出して薬の問題点を明確に指摘する人もいるが、数はごく少ないようである。

この光雲寺にも以前に病院の薬剤師をしていたが、薬剤投与に疑問を感じて病院を辞し、自らが信ずる仕方で患者さんに向き合ってこられたご夫妻が患者さんと共に禅センターの坐禅に参加されたことがあった。

実は小衲も血圧の値が一年前から高いのであるが、降圧剤は脳梗塞などの原因となり、かえって良くないということを知り、降圧剤の投与を拒んできたところ、最近は値が自然に落ち着いてきたという経緯がある。そもそも以前は160がボーダーラインであったのが、最近は130になったというのが合点がいかないではないか。このようなことが起こるのは病院や医者が薬品会社の意向を汲んで儲けさせると共に、その見返りに多額の寄付金を貰っているという内情があることを知り、なるほどと合点がいった次第である。抗がん剤の売り上げなどは5兆円にも上るそうである。

病院に行けば実に多くの患者が待合室にいる。年間の医療費は37兆円にのぼるそうである。老人医療が一割負担になってからますます病院に行く老人が増えた。老人医療の負担割合をもっと引き上げたら病院に行く老人が少なくなってよいという安保徹氏の主張は極論のように聞こえるが、小衲は賛成である。ちなみに安保徹氏の血圧は190あり、降圧剤も飲まずに元気で暮らしておられるとのことである。

病院に行ったり薬を飲んだりするよりも、温熱療法や酵素風呂や岩盤浴などをして身体を温めれば、自然に免疫力は向上するという。小衲がときおり行く京都嵯峨の酵素風呂には病院の治療を拒否した患者さんが何人も元気に通ってきておられるということである。病院で身体の免疫力を下げる抗がん剤を投与されて極端な苦しみを経験するのと比べれば雲泥の差である。

病院や薬とどのように向き合うかという問題は結局は自らの決断によるほかはない。ただ小衲はこのように考えて実践しているということをお伝えしたまでである。多くの人が病院や薬にあまり頼り過ぎないようになればと願う次第である。

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