名僧列伝

東洋には、深い宗教的境地を得て多くの人達に敬慕された、仏教の名僧方が数多くおられる。現代の人には疎遠となってしまった観がある、中国と日本のそうした名僧方の列伝を、このたび企画することにした次第である。別に宗派は限定することなく、また年代も順不同であり、思いつくままに書き足していく予定である。願わくは、この名僧方の高潔な行跡を知って、自らの糧(かて)とされんことを。


玄賓僧都

最初に採り上げるのは、鴨長明の『発心集』の冒頭に載せられている玄賓僧都(げんびんそうず)である。千二百年のその昔、名利を離れてひたすら仏道に精進された僧都の気高い行履(あんり)は、同時代の人に鑽仰(さんぎょう)されたばかりか、後世の宗教者の模範となってきた。
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三人の遁世者達〔平等・千観・増賀〕

玄賓僧都に続いて『発心集』に載せられているこの三人の遁世者達も、またいずれも名利の俗心を離れたその高潔な行跡の故に、後世の人達に崇められた名僧である。現代には地位や名誉のある所謂(いわゆる)「高僧」はいても、このような名利を超脱した真の名僧がいないのは、誠に惜しいことである。
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雲門文偃禅師

雲門文偃(うんもんぶんえん)禅師は中国禅界の巨匠と言われる。禅師は若くして出家し、刻苦精励して大悟されたが、更に境涯の円熟を期して幾多の名僧に歴参された。「雲門天子」と称された高邁な宗風をもつ雲門宗の開祖であり、その「日々是好日」の句は一般にも良く知られている。
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盤珪永琢禅師

江戸時代初頭に活躍された臨済宗の名僧、盤珪永琢(ばんけいようたく)禅師(元和八年〜元禄六年、1622 – 1693)は、自らの修行遍歴の体験から、公案工夫をこととする臨済禅の基本的行き方に対して、「不生の仏心」を説く独自の「不生禅」を創始された。今回は、この稀有の名僧の格調高き教えと伝記とをご紹介したい。
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