「展示会のご案内 」2025年11月【No.267】
光雲寺ではときおり展示会の会場をお貸しすることがあります。今回は11月1日から3日までの「立原位貫(たちはらいぬき)没後十年版画展」と12月15日から21日までの佐賀唐津焼「中川恭平作陶展」とをご紹介致します。
立原さん(本名・勝原さん)のご一家はお近くにお住まいで、光雲寺の檀家さんです。奥様は「とまや」さんという素敵なお菓子屋さんを哲学の道近くのお宅で開業しておられます。1951年に名古屋に生まれられた立原さんはジャズのサックス奏者として活動していた25歳の時に、一枚の浮世絵に深く感銘し、版画家の道へ転身されたということです。江戸時代の浮世絵製作は。下絵を描く絵師、彫りを担う彫り師、摺(す)りを担う摺り師という分業体制で行われていました。これに対し、立原さんは下絵から彫り、摺りまでの全行程を一人で手がける稀有な存在で、真の意味での浮世絵復刻を成し遂げた唯一の版画家としてとても評価の高いお方です。江戸時代と同様の材料を使うその技法は国内外で高く評価され、2019年には復刻作品9点とオリジナル作品3点が英国の大英博物館に永久保存されるほどの世界的注目を集めているお方です。光雲寺の聖徳太子作の「弘誓(ぐぜい)観音像」の木版画をお願いした際にも、見事に刷り上げて頂いたことがあります。どうぞ是非この機会に光雲寺の版画展にお越し下さることをお勧めする次第です。
佐賀唐津焼の「中川恭平作陶展」は唐津焼の著名な中川自然坊(じねんぼう)さんのご子息で、すべての作品を薪窯(まきがま)で焼いておられる新進気鋭の陶芸家さんです。私は唐津にある窯元さんに京懐石の料理人さんと一緒に何度も伺いました。朝鮮唐津や斑(まだら)唐津の酒器や皿や壺などはとても優れた出来栄えで、生真面目に一生懸命に取り組んでおられるその姿を拝見して応援したくなり、「今度はうちの光雲寺で展示会を行われたらいかがでしょうか」とお声がけした次第です。何人もの陶器に関心ある人たちがこの作陶展を楽しみにしています。皆さん方もどうぞ唐津焼の醍醐味を堪能しに光雲寺にお越しになりませんか。




