「現今の医療の問題点」2019年6月【No.192】
今月は私たちの健康について私見を述べさせて頂こうと思います。皆さん方はいまわが国の総医療費がいくらになるかご存知でしょうか。42兆円にもなり、負担者別に見ると、国庫が約16兆円、保険料が20兆円、患者が5兆円となっており、75歳以上の一人当たり年間医療費は94万円になるそうです。確かに病院に行くと、お年寄りの患者さんの多いことに驚かされます。国会でこの異常事態があからさまに取り上げられないのは何故でしょうか。どうも合点がいきません。
病院に行って薬漬けになって、製薬会社や病院は儲かるでしょうが、果たして私たちの健康が保証されるのでしょうか。血圧が高いといってはすぐ降圧剤を処方する医者が多いですが、浜六郎氏によると、同じ高血圧の人でも、降圧剤を服用した人としなかった人とでは、服用しなかった人の方が自立性が高いということです。ある程度の高齢者になれば、全身に栄養を行きわたらせるために血圧が上がるのは自然なことで、それを無理に下げることで、栄養が細胞の隅々まで行きわたらなくなり、自立度が低下することになるということでしょう。しかも降圧剤の服用により癌になる危険性の増大が実証されているということです。病の原因を究明して除去するのではなく、結果に対して薬を処方するのは賢明なやり方ではないと言えます。すぐに患者に降圧剤を飲ませようとする医者は、果たしてこの様な事実を学ぶ暇はないのでしょうか(浜六郎著『高血圧は薬で下げるな!』角川oneテーマ21)。
浜六郎氏は『命を脅かす医学常識』(宝島社)の中で、この他にも色々な治療の問題点を実証に基づいて指摘しておられますので、これまでご存じなかった方は是非一度読まれることをお勧め致します。例えば、50歳を過ぎた男性の半数以上は前立腺ガンを持っているそうですが、前立腺ガンで亡くなるよりも他の病により亡くなる可能性の方が遙かに高いので、PSA(腫瘍マーカー)測定や生検を受ける意味はないということです。
また最近は癌の患者が増えて、「早期発見」「早期治療」が声高に叫ばれていますが、人間ドックなどでレントゲンなどを使って癌検診を受ければ受けるほど癌になりやすくなるということです。詳しくは船瀬俊介氏の『ガン検診は受けてはいけない』(徳間書店)をご覧下さい。この本の推薦者として名前を連ねておられる森下敬一先生は癌の研究を50年以上もしてこられた専門家ですが、「今のガン医療は地獄行き新幹線。ガン検診はその改札口です」と断言しておられます。
森下先生の『ガンは食事で治す』(KKベストセラーズ)や京都の和田洋巳先生の『がんを生き抜く最強ごはん』(毎日新聞出版)などを読むと、薬など服用しなくても玄米や菜食などにより癌を治し予防したりすることが可能であるということですから、これは朗報と言えるのではないでしょうか。
とはいえ、ただ健康寿命を延ばして長生きするだけではなく、何か人のためになることを少しでも行うのが自分の生きがいになるかと思います。小衲の場合は、無農薬の有機野菜を使った料理を出す食事処の創設を他の方と一緒に計画しているところです。また坐禅工夫により真の禅定に入ることによって外界の物事に左右されることのない境地に到る道を皆さん方に挙揚するのをわが楽しみとしております。