「畑作りの醍醐味」2025年05月【No.261】
私のところではお寺の一角に20畝(うね)の畑を作って、無農薬野菜を育てております。スーパーなどで通常売っている野菜には農薬が使われており、しかも昨今野菜の価格の高騰が顕著です。知り合いの寺院でも空いている土地があれば畑を作りたいと思っているところが多くあるようです。広い寺域を毎朝掃き掃除をすると多くの落ち葉が集まりますが、それで堆肥を作ります。私のお寺では4人の学生さんが下宿しており、住職である私が早朝から率先して学生さんと一緒に8時まで掃き掃除や草引きなどの作務を致します。もちろん学生さんはただ働きではなく、作務の手当てを出すことによって4万円の食費込みの下宿代を上回る収入になります。
学生さん以外にも坐禅会のメンバーなどの人達がときおり自発的に草引きに来てくれるのにはとても感謝しております。暖かくなると雑草が一気に生え出します。人手はいくらでも必要です。大きな雑草や木の枝などは落ち葉とは別に置いて十分に乾燥させてから、墓地の献花の乾燥したものと一緒に、粉砕機で粉砕して堆肥に混ぜます。それ以外にも毎日できる野菜くずを、知り合いの懐石料理人さんからもらう野菜くずと一緒に野菜くず乾燥機にかけて十分に乾燥させた上で、堆肥に混ぜます。このようにするとゴミ出しの分量が少なくなりますし、それに乾燥した野菜くずは畑の野菜の成長にとってはとてもプラスになるようです。
冬の間に畑に設置していた温室の大きな2つの囲いを、4月の初めに撤去しました。種をまいて育てた小蕪(こかぶ)・法蓮草・大根・人参などが暖かい温室の中で、驚くほど成長していました。あまり間引きをしなかったせいか、少々込みすぎていますが、それでも法蓮草は驚くほど採れましたし、小蕪や大根なども見事に大きくなっています。お寺だけでは消化しきれなくて知り合いやご近所さんに差し上げたほどです。苗を植えなくても種をまいただけでこれほど見事な野菜が採れるとは本当に驚きです。また以前植えた冬瓜などは70個以上も採れましたし、カボチャも沢山収穫できました。
お寺など空いた土地があるところでは畑作りをされたらいかがでしょうか。わが身の運動にもなりますし、無農薬の野菜も沢山収穫できますよ。