「跼天蹐地」(月刊コラム【No.86】2010年7月)

表題は、中国の五経のひとつに数えられる『詩経』小雅という、周の宮廷の賀歌を収録した篇にある「正月」と題する詩中の句である。「天、けだし高しといえども、あえて跼(せぐぐま)らずんばあらず。地、厚しといえども、あえて蹐(ぬき […]

「作務の法悦」(月刊コラム【No.85】2010年6月)

春寒の季節も過ぎたというのに、今年は天候不順で先月末には最低気温が十度をわずか超えたくらいの日が続いた。さらに追い打ちをかけるように、雨の日が多く、畑の野菜の成長も芳しくない。農家の方々はさぞかし大変であろう。それでも雨 […]

「利他行」(月刊コラム【No.84】2010年5月)

先月初めのことであるが、佐賀県の唐津市で、魚釣りをしていた四歳の弟が足を滑らせて海中に落ちたのを救おうとして、十歳の兄が海に飛び込んだが、救助できずに自分が溺死してしまったという、何とも切ない出来事があった。弟は別の男性 […]

「坐禅の功徳」(月刊コラム【No.83】2010年4月)

先月のコラムでは「子弟の教育」に触れたが、毎回新たな参加者が何名かいる月例坐禅会や土曜ごとの夜坐禅、また修学旅行生や一般の人たちがまとまって参加する南禅寺禅センターの坐禅研修も、ここ光雲寺では盛んであり、参加者も増加の一 […]

「子弟の教育」(月刊コラム【No.82】2010年3月)

光雲寺の弟子の一人がいま臨済宗の専門道場(僧堂)で修行中である。ようやく三年が過ぎて四年目に入ったところであるが、安居(あんご、修行期間)が変わる半年ごとに暫暇(ざんか、休暇)を頂いて、光雲寺に帰山させている。つい先月も […]

「大安楽」( 月刊コラム【No.81】2010年2月 )

龍牙居遁(りゅうげきょとん)禅師という、中国唐代の名僧がいる。曹洞宗の開祖である洞山良价の法を嗣いだ禅僧であり、臨済禅師との問答も残っていることは、少し禅に触れた人ならばご存じであろう。 江戸時代の禅籍である『鉄笛倒吹』 […]

「新年の抱負」( 月刊コラム【No.80】2010年1月 )

新年明けましておめでとうございます。今年が皆様方にとってよい年でありますようにご祈念申し上げます。 回顧すれば、この光雲寺では昨年も色んな出来事があった。11月22日から一週間行なった「東福門院と光雲寺」展には一千人に上 […]

「展示会回顧」( 月刊コラム【No.79】2009年12月 )

10月のコラムでお伝えしたように、この光雲寺では去る11月22日(日)より28日(土)まで、「東福門院と光雲寺」展と題して光雲寺紅葉展示会を開催した。幸い、紅葉の時節でもあり、予想以上の方々にご来訪頂き、光雲寺の総力を結 […]

「秋より高き」( 月刊コラム【No.78】2009年11月 )

ある方からのご招待で、四国の宇和島にある伊達美術館の「戦国武将伝ー信長・秀吉・家康・政宗ゆかりの品々ー」展(9月1日より10月4日)を拝見することができた。特に大徳寺総見院所蔵の信長像(重文)や南禅寺金地院所蔵の武家諸法 […]

「『東福門院と光雲寺』展」( 月刊コラム【No.77】2009年10月 )

この光雲寺では2年前に「東福門院と光雲寺」展を開催したことがある。好評ではあったが、何分にも南禅寺禅センターとして修学旅行生はじめ多くの坐禅希望者を受け容れていたので、三日間しか期間がとれず、苦情を頂戴した次第であった。 […]

「禅修行の法悦」( 月刊コラム【No.76】2009年9月 )

中国宋代の黄龍祖心禅師(1025-1100)は晦堂(まいどう)祖心ともいい、建仁寺開山栄西禅師がその法脈に連なる名僧であり、その嗣法の弟子には死心悟新禅師や霊源惟清禅師などの卓越した禅僧がいる。有名な黄庭堅(山谷)も在俗 […]

「更に参ぜよ、三十年」( 月刊コラム【No.75】2009年8月 )

わが光雲寺では近ごろ耐震補強に加えて庭園整備も順次行なっている。東福門院が寄進された仏殿の前庭整備が終わり、今年から来年にかけて京都市指定の名勝庭園である植治(七代目小川治兵衛)作庭の中庭の復元を予定している。 この庭園 […]

「女性と禅」( 月刊コラム【No.74】2009年7月 )

東京藝大美術館で行われていた「尼門跡寺院の世界ー皇女たちの信仰と御所文化」展が盛況裡に終了した。小衲が訪れた最後の週になってからは特にご婦人方が大挙して来られ、主催者側も、「あと2週間展示期間が延長できれば嬉しいのですが […]

「東洋的教育」( 月刊コラム【No.73】2009年6月 )

先頃、大学教授を殺害した容疑でその教え子が逮捕されたが、その手口はきわめて残忍であった。どうやら思い込みの激しい性格の学生がその後の自分の就職がうまくいかないので、進路指導をしてくれた教授をむやみに逆恨みしたものらしい。 […]

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