「東福門院三百年御忌」(月刊コラム【No.96】2011年6月)

去る五月二十七日に光雲寺では午前十時から十二時迄の二時間に及ぶ、住職の晋山式、東福門院三百年御忌(ぎょき)、諸堂落慶式を併せて執り行った。当日は一日中雨の予報で気がかりであったが、法要後の記念撮影と出膳の際には、ありがた […]

「地蔵菩薩の悲願」(月刊コラム【No.95】2011年5月)

光雲寺にはお厨子に納まった地蔵菩薩の立像がある。以前から気になっていたのであるが、両手が取れるなど痛み方が激しかったものの、何ともいえない品格のあるお顔の相好(そうごう)である。ちょうど「京の冬の旅」の長期拝観により皆様 […]

「東北・関東大震災」(月刊コラム【No.94】2011年4月)

本年1月8日より始まった京都市観光協会主催の「京の冬の旅」の長期にわたる特別公開は、3月21日をもって終了した。この73日間の期間中、一万八千人以上の方々がお見えになり、光雲寺を中興された東福門院様(大河ドラマの主人公で […]

「板倉家と光雲寺」(月刊コラム【No.93】2011年3月)

専門道場で修行生活に入って五年目の弟子が、半年ぶりの暫暇を頂いて光雲寺に戻ってきた。道場の生活に次第に慣れてそれなりの風格らしきものが身につき始めてはいるが、師匠である小衲の眼から見れば、弟子の日常の一挙一動には動きに無 […]

「温故知新」(月刊コラム【No.92】2011年2月)

わが国最初にして最大の哲学者であった西田幾多郎博士は、『万葉集』を連日のように読まれたという。若い頃にはその理由が分からなかったが、還暦の齢を幾春秋か越えたいまは、万葉人の心の琴線に触れて、その素直さ、誠実さに感銘を受け […]

「旧年と新年と」(月刊コラム【No.91】2011年1月)

新年明けましておめでとうございます。皆様方は旧年中はどのように過ごされたでしょうか。もとより楽しいこと、悲しいこと、いろんな経験をされ、またいろんな出会いがあったことでしょう。小衲の場合に、夏頃に和歌山県に出向き、和尚方 […]

「東福門院念持仏」(月刊コラム【No.90】2010年12月)

10月のコラムで申し上げたように、光雲寺では12月5日まで京都市指定名勝庭園の修復記念の特別公開をしている。また次のNHK大河ドラマの主人公が光雲寺を菩提寺として再興された東福門院の御母堂に当たられる「お江様」であること […]

「人人具足、箇箇円成」(月刊コラム【No.89】2010年11月)

光雲寺では毎月二回の月例坐禅会(ただし今年の11月は14日の第二日曜日のみ)と毎週の土曜夜坐禅以外にも、「南禅寺禅センター」という看板を掲げて、大本山南禅寺との連携のもと、多くの人々の坐禅研修を受け容れている。多い月には […]

「秋の特別公開」(月刊コラム【No.88】2010年10月)

七代目小川治兵衛(植治)作の京都市指定の名勝庭園である光雲寺の中庭は、昨年より二年がかりで、池の護岸工事・排水路・築山・植栽・杉苔植えなどを行って修復を試みてきたが、ようやくひとまずめどがつき、来たる11月20日(土)か […]

「ガンとの闘病」(月刊コラム【No.87】2010年9月)

今月はいささかこれまでとは相違したテーマについてお話ししたい。「ガンとの闘病」といっても、小衲自身が現在罹患しているわけではないが、昨年以来、何人もの親しい知人や、知人に関わりのある人たちが、ガンに襲われた。中には治療空 […]

 「ガンとの闘病」(月刊コラム【No.87】2010年9月)

今月はいささかこれまでとは相違したテーマについてお話ししたい。「ガンとの闘病」といっても、小衲自身が現在罹患しているわけではないが、昨年以来、何人もの親しい知人や、知人に関わりのある人たちが、ガンに襲われた。中には治療空 […]

「跼天蹐地」(月刊コラム【No.86】2010年7月)

表題は、中国の五経のひとつに数えられる『詩経』小雅という、周の宮廷の賀歌を収録した篇にある「正月」と題する詩中の句である。「天、けだし高しといえども、あえて跼(せぐぐま)らずんばあらず。地、厚しといえども、あえて蹐(ぬき […]

「作務の法悦」(月刊コラム【No.85】2010年6月)

春寒の季節も過ぎたというのに、今年は天候不順で先月末には最低気温が十度をわずか超えたくらいの日が続いた。さらに追い打ちをかけるように、雨の日が多く、畑の野菜の成長も芳しくない。農家の方々はさぞかし大変であろう。それでも雨 […]

「利他行」(月刊コラム【No.84】2010年5月)

先月初めのことであるが、佐賀県の唐津市で、魚釣りをしていた四歳の弟が足を滑らせて海中に落ちたのを救おうとして、十歳の兄が海に飛び込んだが、救助できずに自分が溺死してしまったという、何とも切ない出来事があった。弟は別の男性 […]

「坐禅の功徳」(月刊コラム【No.83】2010年4月)

先月のコラムでは「子弟の教育」に触れたが、毎回新たな参加者が何名かいる月例坐禅会や土曜ごとの夜坐禅、また修学旅行生や一般の人たちがまとまって参加する南禅寺禅センターの坐禅研修も、ここ光雲寺では盛んであり、参加者も増加の一 […]

「子弟の教育」(月刊コラム【No.82】2010年3月)

光雲寺の弟子の一人がいま臨済宗の専門道場(僧堂)で修行中である。ようやく三年が過ぎて四年目に入ったところであるが、安居(あんご、修行期間)が変わる半年ごとに暫暇(ざんか、休暇)を頂いて、光雲寺に帰山させている。つい先月も […]

「大安楽」( 月刊コラム【No.81】2010年2月 )

龍牙居遁(りゅうげきょとん)禅師という、中国唐代の名僧がいる。曹洞宗の開祖である洞山良价の法を嗣いだ禅僧であり、臨済禅師との問答も残っていることは、少し禅に触れた人ならばご存じであろう。 江戸時代の禅籍である『鉄笛倒吹』 […]

「新年の抱負」( 月刊コラム【No.80】2010年1月 )

新年明けましておめでとうございます。今年が皆様方にとってよい年でありますようにご祈念申し上げます。 回顧すれば、この光雲寺では昨年も色んな出来事があった。11月22日から一週間行なった「東福門院と光雲寺」展には一千人に上 […]

「展示会回顧」( 月刊コラム【No.79】2009年12月 )

10月のコラムでお伝えしたように、この光雲寺では去る11月22日(日)より28日(土)まで、「東福門院と光雲寺」展と題して光雲寺紅葉展示会を開催した。幸い、紅葉の時節でもあり、予想以上の方々にご来訪頂き、光雲寺の総力を結 […]

「秋より高き」( 月刊コラム【No.78】2009年11月 )

ある方からのご招待で、四国の宇和島にある伊達美術館の「戦国武将伝ー信長・秀吉・家康・政宗ゆかりの品々ー」展(9月1日より10月4日)を拝見することができた。特に大徳寺総見院所蔵の信長像(重文)や南禅寺金地院所蔵の武家諸法 […]

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