「無字三昧の法悦」2019年11月【No.196】
小衲は月例坐禅会を始めてもう三十年以上になるかと思います。その間、多くの人たちの参禅を聞いて参りましたが、なかなか本当の三昧境に入れる人は現れません。僧堂での修行生活をして専門にそのこと一筋に打ち込んでいるはずの雲衲でも […]
「直指人心、見性成仏」2019年10月【No.195】
先月のコラムは体調不良のために失礼致しましたことをお詫び申し上げます。何人かの方々からお問い合わせがありましたので、私事になりますが、少し経緯を述べさせて頂きたいと存じます。先月末から咳が続き、てっきり風邪かと思い、手製 […]
光雲寺住職ブログをご購読の皆様へ
9月に入り、秋の気配が感じられるようになりましたが、皆さまにはお健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。 9月号の住職ブログは、諸事情により休止させていただきたいと存じます。10月号は予定通り配信させていただきま […]
「工夫三昧の重要性について」2019年8月【No.194】
「足、実地を踏むということ」と題した先日のコラム、拙寺での学生さんたちの坐禅研修と小衲による法話などの結果をお知らせすると申し上げましたが、そのご報告を申し上げます。 当日集まった5人の学生さんたちは最初に1時間の坐禅 […]
「足、実地を踏むということ」2019年7月【No.193】
宗教や哲学を学ぶ大学生及び大学院生が、大学の授業そのものに失望して、自らの進むべき道を決めかね暗中模索しているのを、最近よく見聞します。われわれの頃には到底考えられなかったことです。そのようになった第一の原因として考えら […]
「現今の医療の問題点」2019年6月【No.192】
今月は私たちの健康について私見を述べさせて頂こうと思います。皆さん方はいまわが国の総医療費がいくらになるかご存知でしょうか。42兆円にもなり、負担者別に見ると、国庫が約16兆円、保険料が20兆円、患者が5兆円となっており […]
「東嶺禅師の入道要訣」2019年5月【No.191】
三、憤励の義 諸仏と同体の性を得ようとするならば、まず無明の根元を明らかにして悟らなければならない。どのように明らかにするのか。自らの本性を疑うべきである。どのように疑うのか。 眼に色を見、耳に音声を聞き、身体では冷暖を […]
「東嶺禅師の入道要訣」2019年4月【No.190】
臨済宗中興の白隠慧鶴禅師第一の高弟である東嶺円慈禅師(享保六年—寛政四年、1721−1792)の『快馬鞭』という著作の中に、「入道要訣」という重要な一文があります。「凡夫の境地から仏の境地に到るにはどのように心がければ良 […]
「三昧の法悦」2019年3月【No.189】
最近は年間100万人、二人に一人がガンにかかる時代だということで、何人もの著名人がガンになられたということがニュースになっております。最近、水泳の女子日本のホープである18歳の池江璃花子選手が白血病になられたというニュー […]
「向上の底力」2019年2月【No.188】
大坂なおみ選手がテニスの全豪オープンで優勝し、世界第一位になったのは、世界中の多くの人たちの耳目を驚かせました。わずか一年前には70位にもなっていなかった大坂選手が全米オープンに引き続いて、全豪オープンでも優勝したのです […]
「旧年の回顧と新年の抱負」2019年1月【No.187】
新年明けましてお目出度うございます。いつもコラムをご覧頂き、厚く御礼申し上げます。振り返れば、昨年もわが国は色々な災害に見舞われました。特に6月には大阪で震度6弱の大地震があり、また7月の西日本豪雨では220人以上の人が […]
「禅の工夫三昧の法悦」2018年12月【No.186】
先日「中外日報」という宗教新聞を見ていましたら、現在専門道場(僧堂)に掛搭する者が減少して僧堂の規矩(きく)が立たなくなっているので、この深刻な問題に対して、臨済宗と黄檗宗とが一体で取り組むべきだという意見が多かったとい […]
「光雲寺文化財特別公開」2018年11月【No.185】
光雲寺では11月1日(木)から11日(日)まで、京都古文化保存協会からの依頼で、「京都非公開文化財特別公開」の一翼を担い、久方ぶりの公開をしております。普段はなかなかご覧頂くことのできない貴重な寺宝を特別に展示しておりま […]
「画餅飢えを充たさず」2018年10月【No.184】
どうも今年に入ってから異常高温や記録的暴風雨をもたらす台風の相次ぐ襲来など、自然がこれまでにない猛威を振るっております。最近は、こうした異常気象が、実は決して異常ではなく普通になりつつあるというのが専門家の見解のようで、 […]
「禅堂の修行生活(その8)」2018年9月【No.183】
今月は備前岡山の曹源寺での修行時代のことをお話し致しましょう。 曹源寺は江戸時代末前後には太元孜元禅師や儀山善来禅師などの名僧が輩出して天下第一の道場でした。天龍寺の滴水宜牧禅師や円覚寺の今北洪川禅師もこの道場で修行し、 […]
「禅堂の修行生活(その7)」2018年8月【No.182】
先月のコラムの最後で、今月は曹源寺時代の修業についてお話しすると申し上げましたが、一番長く修行した建仁寺時代の修行生活についてまだ語り尽くせないことがありましたので、今月はそのことについてお話しさせて頂きたいと思います。 […]
「禅堂の修行生活(その6)」2018年7月【No.181】
相国寺管長を兼務しておられた止々庵・梶谷宗忍老師は三十キロに満たぬ体重でありながら、われわれ兄弟を非常に峻厳に接得して頂いたのには、正直言って感謝の念を禁じ得ませんでした。昭和十年に建仁寺僧堂に初掛搭された宗忍老師は、ほ […]
「禅堂の修行生活(その5)」2018年6月【No.180】
建長寺から建仁寺に移られた素堂老師について京都にまた戻ってきたのですが、建仁寺修行時代には、私は一層寸暇を惜しんで坐禅に励むように心がけました。僧堂では、禅堂で寝起きして坐禅に集中する「堂内」と、堂内の修行を縁の下の力持 […]
「数息観の勧め」再論 2018年5月【No.179】
光雲寺は本山からの依頼で「南禅寺禅センター」という看板を掲げて大勢の人達(年間1万数千人)の坐禅指導をおこなっておりますが、先日山陰の方から来た中学生から予め質問用紙がファックスで送られてきました。これは長年の坐禅指導の […]
「数息観の勧め」2018年4月【No.178】
この冬は厳しい寒さが続きましたが、春のお彼岸が過ぎると俄然温暖な気候になり、桜の開花は例年に比べていずこでもかなり早いようです。「哲学の道」の桜並木を借景とするこの光雲寺界隈でも、実に多くの観光客が花見に興じています。ま […]